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更新日付:2024年5月17日 / ページ番号:C114247

第35回企画展「鴻沼」 展示Web解説 その5

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第35回企画展「鴻沼」 展示Web解説 その5

令和6年3月9日から6月9日まで開催中の、第35回企画展「鴻沼(こうぬま)」の展示を紹介します。

5.近代以降の鴻沼

「高沼用水路土地改良区」の設立と高沼用水路の変化

明治時代に入り、政府は各方面にわたって抜本的な改革を断行します。
用水路の経営についても、官費官営から、次第に民費民営へと切り替えられました。
鴻沼地域でも、明治23年(1890)1月、従前の高沼用水組合に関係する北足立郡土合村(現在の桜区の一部)・与野町・六辻(むつじ)村(現在の南区の一部)により「高沼用水路水利土功会」が結成されますが、集会の議決権は北足立郡長に委ねられており、完全な民営とはなりませんでした。
同年に発布された水利組合条例によって、明治38年(1905)には組合員で構成され、集会の議決が行われる「高沼用水路普通水利組合」となり、実質的に民営で為されるようになりました。

第二次世界大戦の終戦後、農村の民主化のため農地改革が行われ、農業経営の近代化と合理化を目的として農業協同組合が発足しました。
それに伴い、土地改良事業の民主的発展と合理化を進めるために土地改良法が公布され、「普通水利組合」は「土地改良区」へと再編されます。
高沼用水路土地改良区は、昭和27年(1952)に高沼用水路を利用する近隣住民によって設立され、田んぼの整備や農業用溜め池・水路など土地改良施設の維持・管理を行っていました。
昭和30年代(1955~1964)以降、周辺地域の宅地化が進み排水能力の向上が必要になってきたため、「鴻沼排水関係二ヶ土地改良区連合」の事業として、排水路の改良などが行われました。
この中で、西縁へ流入していた霧敷川が、高沼排水路へ直接つながるように付け替えられ、名前も鴻沼川へと変わりました。

現在の高沼用水路

高沼用水路は平成4年(1992)に管理が浦和市に移管されました。
さいたま市が誕生した後、平成16年(2004)からは、農業用水としての利用が減少する中での整備のあり方について市民を交えて検討し、「治水を優先しながらも歴史のある水路の形態を活かしつつ自然景観に配慮した整備を行う」などの基本方針が定められ、市民の憩いの場、親水空間として整備が行われています。

高沼用水路西縁、南与野駅から徒歩3分ほど南にある「河童の森」は、市民団体である「こうぬま 水と緑を楽しむ会」が「河童探検隊」として高沼用水路を遊びの場としたことが発端となり、NPO法人「都市づくりNPOさいたま」に公園づくりの協力を依頼したことから生まれた地域空間です。
東北新幹線建設の際に環境整備空間として設けられた空き地の一角が、子どもたちが生き生きと遊べる場所として整備されました。
近隣の小学校が校外学習で活用することもあります。

高沼用水路の見どころや周辺情報などはさいたま市の河川課で作成されたパンフレットやウォーキングマップにも紹介されています。
下記のページよりダウンロードできますので、パンフレットやウォーキングマップを片手に散策してみてはいかがでしょうか。

(河川課の「高沼用水路について」のページ → こちら

巽橋からの鴻沼川 河童の森
巽橋からの鴻沼川

河童の森

高沼排水路 ドングリの森
高沼排水路 ドングリの森
鴻沼事業記念碑
鴻沼事業記念碑


その4 「鴻沼のコメ作り」

 

参考文献

著書等

  • 茨城県立歴史館『農具 -用具にみる農耕文化のあゆみ-』(茨城県立歴史館、1986)
  • 貝塚爽平『東京の自然史』(紀伊國屋書店、1964)
  • 鴻沼排水路関係二ヶ土地改良区連合『鴻沼の足跡』(フジ印刷、1990)
  • 鴻沼排水路関係二ヶ土地改良区連合『鴻沼点描』(フジ印刷、1995)
  • 橋本直子『耕地開発と景観の自然環境学:利根川流域の近世河川環境を中心に』(古今書院、2010)
  • 雄山閣『新編武蔵風土記稿 第七巻』(雄山閣、1981)
  • 雄山閣『新編武蔵風土記稿 第八巻』(雄山閣、1981) 

自治体史

  • 浦和市『浦和市史 通史編Ⅱ』(1988)
  • 浦和市『浦和市史 第三巻 近世史料編Ⅲ』(1984)
  • 埼玉県『新編埼玉県史 資料編13 近世4・治水』(1983)
  • 見沼代用水土地改良区『見沼代用水沿革史』(1957)
  • 見沼土地改良区『見沼土地改良区史』(1988)
  • 与野市『与野市史 通史編 上巻』(1987)
  • 与野市『与野市史 中・近世史料編』(1982)

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